~自作PCに挑戦しよう~ グラフィックボードの選び方

 2017/06/27 初版


はじめに

グラフックボードとは、モニタ画面に表示する映像を出力するためのものです。

グラフックスカードとかビデオボードなどと呼ばれたりもします。

 

多くの場合CPUやマザーボードがこの役割もするので、必ず必要になるパーツではありません。

 

但し、3Dのゲームなど高性能な映像処理を必要とするソフトウェアを使いたい場合は、グラフィックボードを追加する事で快適に動作するようになります。


GPU(グラフィックチップ)で選ぶ

グラフィックボードのメーカーは多数ありますが、そこに搭載されるGPU(グラフィックチップ)はNVIDIAAMDの2社に絞られます。

 

グラフィックボードの性能はGPUでほぼ決まりますので、まずはGPUを選びましょう。

 

 

NVIDIAもAMDもいくつかのブランドで製品が作られていて以下のような特徴があります。

  • NVIDIA GeForceシリーズ ・・・ 家庭用PC向け(ゲーム用に最適化されている)
  • NVIDIA Quadroシリーズ   ・・・ 業務用PC向け(CADや動画編集など用途に適している)
  • AMD RADEONシリーズ  ・・・ 家庭用PC向け(ゲーム用に最適化されている)
  • AMD FireProシリーズ   ・・・ 業務用PC向け(CADや動画編集など用途に適している)

 

ゲームメインの場合はGeForceかRADEONを選べば間違いなさそうです。

動画編集などがメインの場合は使いたいソフトウェアの推奨環境を確認してみると良いでしょう。


GPUのアーキテクチャ(基本設計)

アーキテクチャとはGPUの基本設計や基本思想を意味します。

アーキテクチャの違いを〇〇世代とか〇〇シリーズみたいに呼んだりします。

 

基本的には新しいアーキテクチャほど性能がよくなっていく訳ですが、同一世代でもハイエンド向けからミドル・ローエンド向けまで多くの製品ラインナップがあるので、アーキテクチャだけで性能を判断するのは難しいですね。


GPUの製品名からおおよその性能を読み取ろう

GeForceもRADEONも一定の規則に従って名前が付けられています。

その付け方を知ることで製品の性能などを読み取る事が出来ます。

NVIDIA GeForceの場合

例)GeForce GTX 1080

 

先頭の文字

グレードを表します。

RTX > GTX > GTS > GT > GS の順で性能差を表しています。

最近のは大体GTXです。(最新の2000シリーズからはRTXになりました)

 

百の位より上

シリーズを表します。

数値が大きい方が新しい世代となり、アーキテクチャが新しくなってたりします。

 

十の位から下

シリーズ内の型番を表します。

数値が大きいほどハイエンド向けで高性能なモデルです。

数値が小さいものは性能を抑えた低価格・省電力なモデルとなります。

 

最後にSUPER

数値の最後に「SUPER」と付くものがあります。

「なし」のものより「SUPER」の方が高性能なモデルです。(「Ti」よりは下位な位置づけ)

 

最後にTi

数値の最後に「Ti」と付くものがあります。

「なし」や「SUPER」のものより「Ti」の方が高性能なモデルです。

AMD RADEONの場合

例)RADEON RX 580

 

先頭の文字

グレードを表します。

最新の世代では「RX」に統一されているようです。

以前の世代では「R9」や「R7」などがあり数値が大きい方が高性能なものを表しています。

 

百の位

シリーズを表します。

数値が大きい方が新しい世代となり、アーキテクチャが新しくなってたりします。

 

十の位から下

シリーズ内の型番を表します。

数値が大きいほどハイエンド向けで高性能なモデルです。

数値が小さいものは性能を抑えた低価格・省電力なモデルとなります。

 

最後にX

数値の最後に「X」と付くものがあります。

「なし」のものより「X」の方が高性能なモデルです。


結局どれがどのくらい早いの?

型番の番号だったりの数値が大きい方が性能が良さそうだってことは分かりましたが、結局どの程度の違いがあるのかまではよく分かりません。

 

そんな時はベンチマークテストの結果を参考にしましょう。ベンチマークテストとは、テスト用のプログラムを実行させてGPUの処理性能を計測して比較する事です。個人で全ての製品をテストするのは難しい事ですが、幸い多くのサイトでベンチマークの結果を掲載してくれています。参考にしましょう。

 

http://www.dospara.co.jp/5shopping/share.php?contents=vga_def_parts

 


消費電力

グラフィックボードはかなりの電力を必要とするパーツです。

特にハイエンドモデルのものでは、PCIインターフェースからの電力供給だけでは足らず、補助電源を接続する必要がある製品もあります。

 

グラフィックボードの必要電力を十分考慮して電源ユニットを選択する必要があります。


出力端子

出力端子の形状はいろいろな種類があります。

モニタの端子を確認して接続できる端子があるボードを選びましょう。

変換アダプタも多く存在するのでそれを使うことも可能です。

 

代表的な端子

  • DVI-I
  • DVI-D
  • HDMI
  • DisplayPort
  • VGA

大きさ

特にハイエンドモデルのものはサイズが大きくなります。

小さいPCケースでは入らない場合もあるので注意が必要です。

また、厚さもPCIスロット2個分のスペースを必要とするものも多いので、事前にサイズを確認しましょう。